1月25日、PLANET TRACKERは、再生プラスチックの分析とリサイクル率向上のための提言をまとめた報告書を発表した。
世界的に、プラスチックの生産量が減少するまでは、リサイクル率を根本的に改善する必要がある。現在、プラスチック廃棄物のうちリサイクルされているのは9%以下である。金融シンクタンク、PLANET TRACKERの調査によると、ラベルのリサイクルが当面のゲームチェンジャーになり得るにも関わらず、容器だけに注意が集中しすぎている現状がある。
現在、毎年1億4,100万トンのプラスチック包装が生産されており、コカ・コーラ、ペプシコ、ネスレ、ユニリーバ、マース、ロレアルなどのプラスチック包装消費量の世界トップ企業は、2021年に770万トン以上を使用するとされている。パッケージのリサイクル率向上に関する規制が強化されたことで、回収材の需要が急速に高まっているが、再生プラスチックの供給力は、需要の高まりに対応できていないのが現状である。
その結果、再生材の価格が上昇している。2022年、ヨーロッパにおけるリサイクルPETペレットの販売価格は、バージン(化石燃料)原料に対して51%のプレミアムで、1トン当たり797ユーロ(約11万円)であった。実際、英国の製造業者は現在、包装にリサイクル材を使用するよりも安いので、1トン当たり200ポンド(約3万円)のプラスチック税を支払うことを好んでいる。
本レポートでPLANET TRACKERは、消費者ブランドに対して、ラベルの材質と容器の材質を一致させ、リサイクル率を高める自助努力のアプローチを採用することを提言している。