[ブリュッセル 16日 ロイター] – 欧州連合(EU)の欧州委員会は16日、域内の温室効果ガス排出を実質ゼロにするEU目標の実現に向け、関連する産業が米国や中国などと競争できるように強化するとともに、必要な原材料の域内調達を促進するための計画を公表した。
公表したのは「ネットゼロ産業法案」と「重要原材料法案」で、EUが温室効果ガスの削減で確実に先頭に立つだけでなく、そのための技術でも先行することを狙いとして設計された。現時点では、こうした面でEUは後手に回っている兆候が見られる。
欧州委のドムブロフスキス上級副委員長は「最終的には、われわれは将来のグリーン産業でリーダーになる意向だ」と述べた。
具体的には、リチウムや銅、ニッケルといった重要な原材料の10%を域内で生産。リサイクルによって域内調達比率を15%高める。
欧州委は、いかなる原材料も65%以上を域外の単一国から調達してはならないとの基準を設定した。
ドムブロフスキス氏は「欧州は資源が豊富な大陸ではない」と強調した上、欧州は多くの原材料を少数の貿易相手国に依存していると指摘。「これは将来の産業を構築する上で安定的な手法ではなく、信頼できる手法でもない。このためわれわれは、早急に分散化する必要がある」と訴えた。
EUはまた、太陽光発電や燃料電池など温室効果ガスの実質ゼロ化へ向けた技術に必要な製品のうち、少なくとも40%を域内で生産する目標も打ち立てた。
2030年までに5000万トンの炭素を吸収する目標も発表した。
URL: https://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL4N35P0C1