村上孝一・第一商品貴金属アナリスト=ニューヨーク金先物相場が地合いを強めている。新型コロナウイルス感染の「第2波」への警戒感などから、米国をはじめとする世界経済の先行き懸念が根強いことが背景。米中の対立再燃への警戒もくすぶり、来週も堅調に推移するとみている。中心限月の想定レンジは1オンス=1680〜1790ドル。
まずは、節目の1750ドルを突破し、これを維持するかが焦点。米経済指標では、15日発表される4月の小売売上高や鉱工業生産、来週21日に予定される欧米の製造業購買担当者景況指数(PMI)が注目される。
19日には、ムニューシン米財務長官とパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言が予定されている。パウエル氏は今週、講演を行ったばかりだが、景気認識などについて一定の関心が寄せられるだろう。