ニュース

2025年3月26日
欧州
革新的な機械式/湿式精練プロセスを備えた、ヨーロッパ初のバッテリーリサイクル工場を立ち上げた。

メルセデス・ベンツは、バッテリーのリサイクルを自社工場を使ってクローズドループにした、初めての世界的な自動車メーカーとなった。

この工場では、リチウムやニッケル、コバルトなどバッテリーの必須材料を取り出して、新しいバッテリーの生産に再利用することができる。その予想回収率は96%を超えるとされている。

クッペンハイムのバッテリーリサイクル工場は、機械によるリサイクル技術と、湿式精練リサイクル技術を組み合わせた画期的なものだ。湿式精練処理は、最高で摂氏80度という比較的低い温度で行われる。

このプロセスはエネルギー効率が高く、一般に利用されている乾式精練法と比べてエネルギー消費が大幅に少ない。まず最初に、機械によるプロセスが行われる。ここでは、使用済みのバッテリーモジュールが細かく切断され、プラスチックや銅、アルミ、鉄などの材料に分類される。

次の湿式精練プロセスでは、先述したプロセスの結果として生じる微細な粉末状物質「ブラックマス(black mass)」からの資源回収に焦点が当てられる。このブラックマスは、バッテリーの「活物質」となる金属が含まれた「濃縮滓」であり、コバルトやニッケル、リチウムなどの貴重な元素がここから分離される。

最終的な生産物は、新しい電池セルの生産に直接使用できる十分な品質を備えており、貴重な材料を確実にサプライチェーンに戻すことができる。

URL: https://tanaka-preciousmetals.com/jp/elements/news-cred-20250122/