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2024年10月18日
北米南米
トヨタ・ホンダ・日産、水平リサイクルに布石 欧州規制に警戒感

枯渇、価格高騰、供給不安といった資源に付きまとうリスクが経営の重要課題となる中、資源争奪戦が始まっている。その鍵を握る資源循環、つまりリサイクルの流れを加速させているのが、欧州連合(EU)発の環境規制だ。まずは自動車分野で、蓄電池に使われるレアメタルや部材のプラスチックについてリサイクル材の使用が義務付けられる。省資源や環境保全の大義の裏で、欧州が経済競争を仕掛けたとの見方もある。先行する欧州に対して、電気自動車(EV)大国の中国がリサイクル産業の活性化を狙う。出遅れる日本は、企業や業種、地域の枠を超えた連携で資源循環の仕組みづくりを急ぐ。

202481日、日産自動車とホンダは協業を発表した。協業の主な目的は車載ソフトウエアの共同開発で、蓄電池や駆動部品といった電気自動車(EV)の基幹部品などでも仕様の共通化を進め、コストダウンによる競争力強化を狙う。

ソフトウエアやEVに関する協業が注目される中、ひっそりと協業領域に加えられていたのが「資源循環領域」だ。記者会見でホンダの三部敏宏社長は「長期的に蓄電池などの基幹部品で仕様の共通化を目指すということは、ライフサイクルやEV活用の視点でも、従来以上の可能性を見いだすことができるのではないかとの議論に発展し、合意に至った」と説明した。

目指すのは、使用済み自動車(廃車)の部品や材料を自動車の同一部品に再利用する、いわゆる水平リサイクルの国内での実現だ。対象としては、使用済みの蓄電池から得られる、コバルトやニッケルなどのレアメタルを含む粉体「ブラックマス」や、自動車の主要材料である鋼板、プラスチックを想定する。車両の解体技術を磨き、高品質なリサイクル材の創出をもくろむ。

URL: https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00674/100200001/