欧州Stellantis(ステランティス)は2023年6月5日、ベルギーの大手金属リサイクル会社であるGallooとともに、使用済み自動車(ELV:End-of-Life Vehicle)をリサイクルする合弁事業を設立するための交渉に入る覚書を締結したと発表した。車両の各部品をリユース、リプロダクト、リサイクルすることで、すべての部品や材料を自動車製造のバリューチェーンに戻すことに焦点を当てる。これにより限りある資源を保護し、原材料の採掘などで排出される二酸化炭素(CO2)を削減することにもつながる。
合弁事業のサービスは、まず2023年末からフランス、ベルギー、ルクセンブルクを中心に始め、その後、欧州全土に拡大する予定。ステランティス傘下のブランドの車両に限らず、他の自動車メーカーにもサービスを提供するという。
ステランティスは、2038年までにカーボン・ネット・ゼロを達成することに取り組んでいる。同社の戦略「Dare Forward 2030」の柱の1つであるサーキュラー・エコノミー・ビジネス・ユニットは、循環型経済の実現に向けた「4R(Remanufacturing、Repair、Reuse、Recycle)戦略」の一環としてELVのリサイクル事業を実施する。2030年には2021年比でリサイクルでの収益を10倍、部品収益を4倍に拡大し、全体収益を20億ユーロにするという目標を掲げている。また、今回のリサイクル事業は、2030年までに新車にグリーン材を40%使うという目標もサポートする。