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2023年2月27日
アジア・オセアニア
ゴミ焼却発電をAI制御、90日間運転に成功

日立ハイテク子会社の日立ハイテクソリューションズ(東京都港区、三浦英俊社長)と日立造船は、ゴミ焼却発電プラントの中核装置(ボイラ)が一定の高温を保てるように人工知能(AI)で制御することで、発電効率を引き上げつつ90日間にわたって運転することに成功した。

成功を踏まえて日立ハイテクソリューションズは、このAI制御システムを製品化した。今後、ゴミ焼却以外の分野にも拡販し、省エネルギーやカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の実現に寄与したい考え。 ゴミ焼却発電プラントは、ゴミをボイラで燃やした際に発生する高温・高圧の蒸気でタービンを回し発電する。蒸気温度が低下するとその分、発電ロスが発生する。

従来の制御法は蒸気温度が目標値より低下または上昇してから後追いで修正する方式で、制御が遅れやすい。蒸気温度が目標値に達した後は制御動作が止まるため、時間が経つにつれ再び蒸気温度が目標から外れる可能性があった。

今回のAIは過去の運転データからプラント制御の学習モデルを構築。蒸気温度が目標値に到達するにはどのような温度変化をたどるのが最適か、制御則を導き出しながら運転する。

目標値に達した後も、外れないように考えて制御。運転中に経験したことがない新たな挙動が発生した場合、「未学習」と判定した上で、運転に有効な挙動であれば新たなAIモデルとして登録し、より優れた制御が行えるようにする。日立製作所の強化学習技術を用いて実現した。

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